ED (Erectile Dysfunction) とは、日本語で「勃起不全」や「勃起障害」と訳され、「性欲はあるのに陰茎が十分に勃起しなかったり、射精まで勃起を維持できないことで満足な性交を行えない状態」のことを言います。
EDとは「まったく勃起しない」状態を指すものではありません。
EDにもレベルがあり、重度ED、中等度ED、軽度EDの3段階に分けられます。
重度ED | 勃起せず性交が不可能 |
---|---|
中等度ED | たまに勃起が可能で、性交中も勃起を維持できる |
軽度ED | 勃起はするが、満足な性交には不十分 |
つまり、勃起するまでに時間がかかったり、勃起の持続時間が短かったり、性交の途中で勃起を維持できなくなってしまったり、日によって勃起しないこともあったりする場合には、EDの可能性を疑うべきなのです。
EDは、特別な病気ではなく、非常に身近な病気です。
1998年におこなわれた調査によると、EDで悩む日本人男性(完全型ED・中等度ED)は、1,130万人と1,000万人を超えており、50代では約2人に1人がEDで悩んでいるという結果が出ています。
EDになる原因はさまざまですが、大きく2つのタイプに分けられます。
EDは様々な原因によって引き起こされる「病気」ですので、原因に合った適切な対処を行うことが大切です。
EDは、端的に言うと、「男性がもっともかかりやすい生活習慣病」となります。
EDになる大きな要因に、動脈が硬化することが挙げられます。
生活習慣病には、糖尿病や高血圧症、高脂血症、脳梗塞、心筋梗塞などが代表的なものとしてありますが、これらは、体内の一酸化窒素(NO)が減少し、動脈が硬化することにより血流が滞ることなどによって引き起こされる病気です。
臨床所見 | ED | 冠動脈疾患 | 脳血管疾患 |
---|---|---|---|
動脈の 直径 (mm) |
![]() 陰茎の動脈 |
![]() 心臓の動脈 |
![]() 頸動脈(頭に行く動脈) |
動脈硬化が起こる部位によって発生する病気が変わります。心臓で起これば心筋梗塞となり、脳で起これば脳梗塞となります。
そして、陰茎で起こればEDとなるのです。
また、陰茎の血管は心臓や脳と比べて細くデリケートなため、EDのことを「男性が最もかかりやすい生活習慣病」と表現する医師もいるほど。つまり、心筋梗塞や脳梗塞の前兆としてEDの症状が起こることもあるということになります。
動脈硬化が進むと、動脈が弾力を失うとともに、動脈の内腔が狭くなり、内腔が50%以上ふさがると、上記のような症状が起きやすいと 言われています。